西の魔女が死んだ
2009-08-29


西の魔女が死んだ

へー、児童文学だったんだ、とか思うわけだが、魔女役のサチ・パーカーがずっと丁寧語調でとてもきれいな日本語で、日本人ですらそうじゃないだろうくらいの感じで、とてもよく、お子様向けという感じの映画を超えてるように思った。まあ、筋とかは、まさにそうなんだけど。

おじいさんを助けた話とか、まあ、結局、本当かどうかはわからない。魔女だったのかどうかもわからない。でも、そんなことは、実はどうでもいいわけで、魔女修行といってやってることも、実は人間として成長していく過程だったりする。子どもが言った成長しなくてもいいというのは、まさに名言というか、そのとおりなのだが、新しいことに目覚めていくのも人間の本質なわけで、じゃなければ、なぜ、生まれた子どもが勝手に歩き出すのか、ということだろう。

子どもにとっては、安定感のある人はいいだろうけど、その人が全てを受け入れてくれたとしても、全てに賛成してくれるわけではない。近くの木村役のおっさんを嫌いなのは、潔癖性の年代を考えれば理解できるのだが、先入観や予断だけで判断していてはいけないというのもとても正しいわけで、そこは譲れない。 死んだらどうなるのか。魂が解放されるのだ、というのはまあいいんだけど、実際はないよなぁ、と思う。何もなくなるのがこの世のあり方というか自然の摂理。ただ、子どもに訊かれて何て答えればいいのだろうと考えてしまった。自分の人生観とか考え方を伝えてもそれで納得するわけでもないだろう。ある程度の年を重ねてはじめて到達できるところもあるだろう。老人の死生観はやはり子どもとは違うだろうし、子どもなりに納得しなきゃならないとしたら、子ども向けの説明というのもあるんだろうな、と思ってしまった。天国なんてないし、死後も存在する魂なんてものも存在しないわけだけど、それで、生きている間安らげるなら、それはそれでいい。いつか、やがて、自分で気づいて、自分で受け入れていくんだろう。子どもは難しいなぁ。

最後にかかった曲が不思議によかった。映画全体の感じにとても合っていた。映画を離れたところで聞いていいかどうかはわからないけど。

なんかよかったなぁ。静謐な感じ。原作読もうかなぁ。

[映画]

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